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赤い耳 7章 GUILD(完)
1.Lon 「おかえりなさい、フリーさん」 扉を開けた手が、少しだけ強張った。 「いつもありがとう、ロン。変わりなかったかな」 「はい。静かに眠り続けています。 健康面はシャーロットさんが把握してくれていますし、あまり問題はないかと」 テーブルに、煙草が数種類並んでいる。...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 3分


赤い耳 6章 SERGA
「仕立ててやったんだから、普段から着ろよ!」 「だってあんな明るい色の服、落ち着かない…ジゼル…助けて」 2人はジゼルの周りをくるくると回りながら会話している。 ジゼルは苦笑い。 「2人とも、いったん落ち着けって」 「あら、そこは『俺の服も作ってくれ』じゃないの?」...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 7分


赤い耳 5章 CHARLOTTE
1.知恵の実の使い方 「シャーロットくん、一体いつになったらできるんだね」 コツコツとつま先を床に打ち付けながら、男は言う。 襟に止められたピンバッジの数が、その男のこの国での立場を表しているようだった。 「わかりません。私自身新しい試みですので」...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 3分


赤い耳 4章 GIZELLE
1.修理屋の息子 俺は、この街の修理屋の息子だった。 フリーさんに雇われ、気づけばここで、いろんなものを直していた。 契約の注意書きはひとつ。 ここで見聞きしたことは決して外に漏らさないこと。 毎日顔を合わせ、なんでもない話をする。 踏み込みすぎない。 深入りはしない。...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 7分


赤い耳 3章 FREE
1.家族のもとへ 靴音を響かせながらいくつかの扉の前を通り過ぎ、 少しだけ開かれている木製のドアを目指す。 手をかけて中を覗くと、ランプの灯が静かに揺らめいていた。 ぺら、と紙をめくる音がする。 机の上には、淹れられたお茶が冷めないようかけられたポットカバー。...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 11分


赤い耳 2章 JANNET
1.絡まる糸 「あの新人が、セルガの世話役になったぁ!?」 こいつは、ボサボサの青い髪で目を隠す、いつもツナギ姿のジゼル。 そいつの口から、信じられない言葉が飛び出した。 「自分の目で確かめてこいよ」 走ってセルガの部屋の前に向かうと、ちょうどセルガの部屋から2人揃って出て...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 12分


赤い耳 1章 LON
あの人に復讐をするつもりでこの土地に来た。 それなのに、僕は結局、本当に伝えたかったことは何一つ言葉にできないまま。 あの人に見事に殺されてしまった。 これは、そんな僕の、白と黒の世界の話。 1.白と黒の世界で 「お兄さん!この店寄ってかない?」...

みうらさここ
2022年4月30日読了時間: 9分
小説: Blog2
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